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中国の殤 血漿経済の鬼影―エイズ

2012年12月03日
 
【新唐人2012年12月4日付ニュース】12月1日は世界エイズデーです。中国では1985年に初のエイズ感染例が発見されてから、感染者数と死亡者数が毎年上昇。2008年からエイズは、中国の伝染病による死亡者数のトップを占めています。では、中国のエイズ感染はなぜ急速に増えたのでしょうか。
 
中国衛生省の最近のデータによると、今年1月から10月まで、中国のエイズ感染者は34.157人、昨年同期比12.7%増加。死亡者は17.740人で、昨年同期比8.6%増加しています。
 
報告によると、1985年の初の感染例から今年10月末まで、中国のエイズ感染者および発病者は492.191人だそうです。
 
一方、国連のエイズ予防治療専門家の推定によると、2011年現在、中国のエイズ感染者はすでに78万人に達しています。しかし、半分以上の感染者は感染に気づいていないといいます。
 
エイズの主な感染経路について、中国当局は性行為と薬物注射が主な原因だとしていますが、アメリカに亡命したエイズ予防専門家・高耀潔(こうようけつ)医師は、中国でのエイズ感染は主に非正規の採血、献血、輸血および消毒不十分な医療器具による交差感染だと指摘しています。
 
1990年代、中国の河南省、湖北省、安徽省、貴州省などの貧困地域では、政府が介入した大規模血漿経済が出現。地方政府の推進の下、売血が貧しい農民たちの主な収入源になりました。その一方、血漿経済は地方政府に莫大な利益をもたらしました。
 
採血の過程で、注射針の使いまわしおよび血漿を抜き取ったあとの血液が再び献血者の体に戻されますが、この過程で血液が混ざり、多くの人が交差感染しています。一方、HIVウイルスを含んだ血漿は最終的に病院の血液保冷庫に入り、輸血を通じて輸血を必要とする患者に輸血され、新たな感染者を生み出します。
 
イギリスBBCによると、李克強副首相が河南省に務めていたとき、大勢の農民が売血でエイズに感染。2004年の地元当局の統計では3万人以上が感染。一方、民間の統計では感染者は数十万人に上るそうです。
 
新唐人テレビがお伝えしました。
 
 
(翻訳/坂本 ナレーター/村上 映像編集/工)
 

  

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